東京語と上海語

東京語と上海語の知識

東京語と上海語の知識

東京語と上海語について

  2つの都市、東京と上海で話される東京語上海語について考えてみた。上海語について考察しているうちに東京語に調査が及んだのである。

 そもそも東京弁というのは聴いたことがあるが、東京語というのは今回始めてである。東京弁と東京語はほぼ同じであるが、東京語の方が学術的語サイドに寄っているようだ。

 全国で通用することばを持たなかった日本は、明治になってその必要に迫られ、官の主導のもとに江戸語を前駆体とする東京語を使うことになった。東京語は、二面的な性格を持っていた。本来の東京で使われていた言葉は下町のべらんめえな言葉だったが、採用されたのは山手の言葉であった。

 これは、参勤交代の関係で各地の武士どうしが互いの意志疎通のために使っていたことばでもあり、当時の士族にも通用していたもののようだ。しかし各地の武士が使っていたということもあって、必ずしも純粋の江戸のことばではなく、さまざまなお国言葉が混じってできあがったものらしい。

 さらに戊辰戦争の江戸開城や関東大震災などで古くからの江戸住民が少なくなり、ますますいろんな要素が混在する言葉になっていったようだ。

 まとまってきた標準語の全国への普及は学校教育や放送などのマス・メディアにより、特にNHKのアナウンサーが話す言葉として広がり、教育・法令などの公用語として定着した。一方、地域としての江戸に根ざす庶民の言葉は、下町言葉として生き延びたが、東京の変貌とともに失われつつある。

 いずれにしても東京語の範疇であれば、単語や発音、語尾に違和感あるものの、地方の人にとっては完全に聞き取れるのが特徴である。

 ところが上海の人は日常、上海語を話すが、これは普通話と発音がまったく異なり、普通話の語言圏の人には殆ど聞き取れない。そこが中国の広さであり、おもしろさなのであろう。


 上海人に聞くと上海語は習ったことが無く、自然に習得したと言っている。すなわち口伝によるものであり、正確な漢字表記は無く当て字である。

 今の上海では、幼稚園は当然上海語であろうが、小学校からの公的教育機関では普通話での教育がなされ、若い人は正しい上海語を使いこなせず、上海語を話す人口が低下した為、問題となっていて、学校で教えるかどうか論議されている。

 中国語には大きく分けて7つ(学者によっては若干異なる)の方言があり、一般的には7大方言として知られる。
 1.北方方言(北京語、天津語、東北語、西安語、成都語、南京語、揚州語など)、
 2.呉方言(上海語、蘇州語、温州語、杭州語など)、
 3.湘方言(長沙語など)、
 4.ビン方言(福建語、ビン南語など)、
 5.カン方言(南昌語など)、
 6.客家方言(広東省東部、福建省西部、江西省南部の山間部等の客家人が使用)、
 7.粤方言(広東語)であり、
これらはお互いに理解不可能なほど異なっている。漢字という表記文字体系の媒体がなければ、中国は分裂国家になっていたはずだ。

 上海語は上記2の呉方言、すなわち上海語、蘇州語、温州語、杭州語のうちの主要方言の1つであって、江南以南の地区、上海を中心として約9000万の人が話している。

 上海語は日本でいうと大阪弁に近いと言われているが、この比喩は正しくない。大阪弁は話している内容が大体理解できる。ところが上海語と普通話はあまりにもかけ離れており、殆ど理解不能である。

 細かく言うと上海語の中にも方言があり、生粋の上海人が南匯区や奉賢区の農村に行くと、内容は解るが一部聞き取りにくいそうで、やっぱり田舎だな〜と思ってしまうそうである。

 上海語は普通話と文法的に同じであるが、発音面では日本語と極めてよく似ていることは、普通話を学んでいる人にはあまりよく知られていない。もっとも普通話を学んでいると、上海語まで学ぶ余裕は無いのであるが。

 普通話にあるピンインという発音記号は無く、代わって種々の発音記号による表記も考案されているが、一般の人が学ぶにはあまりにも学術的サイドに寄って学びづらい。むしろカタカナ表示による方法で学んだほうが上達が早いかもしれない。

 特徴を簡単に言うと、音の感じが日本語の語感に近く、硬い感じがする。また日本語本来にない音があるが、現在の日本語表記で殆ど表記し得る点や普通話ほどの4声の高低が少ない為、日本人には学びやすい。一般に上海人の日本語上達速度は速いと言われているのは、似通っている為と理解されている。

 同様に日本人にとっても普通話よりも上海語の方が学びやすい、という人もいる。特に発音面では楽といえる。



 手始めに以下の簡単な文が話せれば上海人と仲良くなれるとは言わないが、親近感は増すだろう。

  こんにちは(ノンホー)
  おげんきですか?(ノンホーヴァ?)
  ありがとうございます(シャジャノン)
  ありがとう(シャジャ)
  とてもうれしいです(ローケーシンガ)
  食べた?(チャクラヴァ?)
  食べた(チャクラ)
  とてもおいしい(ローホ チェ)   
  さようなら(ツェーウエ)
  はい(ズガ)
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